- パワハラを受けているが、証拠を残しておきたい。
- ボイスレコーダーはどれがいいのか?
- 勝手にボイスレコーダーで録音しても問題ないのか
職場でパワハラを受けている方は、いざと言う時のために動かぬ証拠を残しておいた方がいいです。
しかし、どうやって証拠を残しておくのか、こっそりと会話を録音しても罪に問われたりしないか?など迷ったり躊躇することもあるでしょう。
そこでこの記事では、パワハラ被害の証拠を残しておく手段として、
ボイスレコーダーのおすすめや活用方法を解説します。
この記事を読んで、自身の防衛手段を確保して、いざと言う時のために戦う準備をしておきましょう。
パワハラを受けたときに、証拠を残しておきたい。そのための手段は?
なぜ証拠が必要なのか?
パワハラ被害の証拠を残すことは今後の対応にも有利になります。
今回は特に信用性の高い「会話の録音」についての解説をしていきます
パワハラはいくつかに分類できます。
- 身体的な攻撃
- 精神的な攻撃
- 人間関係からの切り離し
- 過大な要求
- 過小な要求
- 個の侵害
ほとんどの場面で会話はなされているので、その内容を証拠として残すことができます。
具体例:動画や画像も証拠としては有利になりますが、撮影となるとさすがにハードルが高いですよね。ボイスレコーダーであれば、録音スイッチを押してポケットなどに忍ばせておけばそれで証拠を集められることができます。
証拠は裁判で有利になる
被害を録音した音声データは裁判でも証拠として認められています。
無断で録音した音声データに証拠能力が認められるか否かについては、東京高裁昭和52年7月15日判決があります。
東京高裁の判決を読むと、「著しく反社会的な手段を用いて人の精神的肉体的自由を拘束する等の人格権侵害を伴う方法」を用いない限りは、証拠能力は否定されないということになります。
「著しく反社会的」な手段を使わない限りは大丈夫そうですね。
録音するときは、いつも通りの会話の中でおこないましょう。
退職理由を会社都合にしてもらう
パワハラを原因に会社を辞めるときは自己都合ではなく、会社都合で処理してもらいましょう。会社都合にすることで、失業給付金が自己都合退社よりも早く、また支給期間も長くもらえます。
加害者の言い逃れを防ぐ
証拠もなく訴えた場合、言った言わないの水掛け論になることが予想されます。
相手も人間、さらに言えばパワハラをする非常識な存在です。
証拠がなければ、やっていないの一点張りにもなりえます。
そんなことにならないために、会話の録音のほかにも証拠になりえそうなものは、
集めておくに越したことはないです。
ボイスレコーダーの使用方法
パワハラの被害をボイスレコーダーで録音するときにポイントがあります。
- 相手にバレないようにする
- 音声で判断できない内容は自分で解説をいれる
- 相手を挑発する行為はしない。
相手にバレないようにする
ボイスレコーダーで会話を録音するときは、絶対に相手にはバレないようにしてください。
録音していることがわかったら、相手は警戒してきます。
これが抑止力になり、パワハラが収まればいいのですが、陰湿化してしまう可能性があります。攻撃手段が変わるだけで、さらに被害を受ける可能性もあるので注意しましょう。
音声で判断できない内容は自分で解説をいれる
言葉の暴力などは音声で残すことができますが、蹴ったり殴ったりの身体への暴力行為は音声では判断しにくい場合があります。
そんな時は、「殴らないでください」「蹴らないでください」など、受けている行為を自分で言葉にして記録に残すようにしましょう。
こういった言葉を発することで相手側もそれに対する切り返しの言葉を発すると思います。これで身体への暴力があったことを証拠として残すことが可能になります。
相手を挑発する行為はしない。
相手を挑発してわざと暴言を引き出すなどの行為は絶対にしてはいけません。
証拠としてみたときに、自分にも非があると判断されてしまいます。
信頼性にも影響するため、証拠として使えないようになる可能性があります。
ボイスレコーダーで勝手に録音しても問題ない理由
違法性はないのか
結論を言いますと、パワハラなどの被害を防ぐ自己防衛の目的であれば、罪に問われることはありません。
そもそも相手に同意を得ずに会話を録音することを「盗聴」と同じイメージを持っておられるかもしれません。
盗聴とは他人の会話を当人に知られずに盗み聞く行為のことを言います。
これに対して、会話をしている一方が無断で会話の録音をすることを秘密録音と言います。
パワハラで会話を録音する状況では、ほとんどの場合が「秘密録音」にあたります。
この「盗聴」と「秘密録音」ですが、その行為自体は犯罪には当たらないのです。
盗聴そのものは犯罪ではない
このように、秘密録音と盗聴とは厳密にいうと別のことですので、先ほどの三段論法の大前提である「会話の内容を相手に無断で録音することは盗聴することと同じ」ではないということになります。
また、盗聴そのものは、実は犯罪にはあたりません。
盗聴の前後の行為が犯罪に当たるのです。
つまり、パワハラの被害において会話を録音した場合、違法にはあたりません。
注意として、自分にとって有利な発言を引き出そうとするために、相手を怒らせたり挑発する行為はしてはいけません。証拠の信用性にかかわるため、やめておきましょう。
証拠の利用方法
録音データの保管
会話の録音データは加工せずに、そのまま残しておく必要があります。
加工したり、一部分だけのデータだと、都合のいいように編集されたと見なされ信頼性が低くなる可能性があるからです。
せっかく証拠を残したのに、データが消えてしまっては元も子もないです。
パソコンで保管し、しっかりバックアップもとっておきましょう。
録音データの保管とともに、以下の内容も記録しておきましょう。
- 日時(いつ)
- 場所(どこで)
- 状況(だれに何をされたのか)
正確に記録しておくことで、録音データの証拠能力を高めておきます。
裁判に利用する
録音データは裁判の証拠に有利に働きます。
パワハラを原因に上司を訴えるときは、労働問題に詳しい弁護士に相談することをすすめます。
転職も考えてみてはいかがでしょうか。
パワハラを受けている方は、毎日地獄のような苦しみだと思います。
実際に私もそうでした。
約6年もの間パワハラを受け続け、毎日が苦しく、精神的にも相当疲弊していました。
今思えば、本当に時間の無駄をしていたなと思います。
小学生が入学して卒業する期間ですよ・・。
思い返してみれば、もっと早く行動していればと。
パワハラに対して「戦う」か「逃げる」か。早めに行動に移すことが最大の防御となります。
絶対に耐えてはダメです。そこからは何も生まれません。
時間を無駄にするだけです。
逃げるが勝ちという言葉がありますが、これは「争わないで相手に勝ちを譲るほうが、大局的に見れば得策である。」ということみたいです。
パワハラ上司に仕返しをしたい、訴えたいなど戦う姿勢も大事ですが、
なかなかハードルは高いですよね。
時間も労力も半端なくかかります。一人の人間のために苦しみ続けるのはほんとに無駄な時間です。手っ取り早くその環境から離れることをおすすめします。
自分にとっての最善を考えて、早めに地獄から抜け出しましょう!!